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2011年04月04日

僕が原発関係で働いていたときのこと


 僕は原子力には詳しいんだ。



 と言ったのはどこかの国の宰相ですが、僕も原子力発電について知識を得やすい場所に居ました。

 12年ほど前にね。



 どういうことか、と言いますと、



 発電所関係で働いていました。





 ほらまた「山本の職歴は訳がわからん」とか「変な仕事しすぎ」とかいろいろ言われてしまいますが、事実なので仕方ありません。



 かいつまんでお伝えすると、その昔に勤めていた制作会社にて「原子力発電所を啓蒙するPR施設に展示する特殊展示物」の映像制作やメンテナンスを様々こなしていた、ということです。



 今話題の福島第一原発は残念ながら行ったことがありませんが、新潟県の柏崎、静岡県の浜岡、福井県の高浜町(美浜)はそれこそ年に2度ほどは顔を出していました。火力、水力を含めると、熊本県天草島の苓北発電所や、天竜川の奥にある佐久間発電所・・・どれも懐かしいなぁ



 Links to 柏崎刈羽原子力発電所サービスホール



 Links to 浜岡原子力館



 Links to 若狭高浜えるどらんど



 Links to 苓北発電所





 それぞれのPR施設に、「原子力発電がいかに安全か」「モックス燃料とは何か」「どのような構造になっているか」などを映像コンテンツで制作してました。子供たちにもわかりやすくするために、展示ロボットにしゃべらせて、映像はロボットと掛け合いにしたりとか、そのロボットをエア圧で動かすプログラムを組んだりとか、その企画を立てたりとか・・・今の僕がこのように「映像作ったりプログラム組んだり企画立てたり、とりあえず何屋かわからない」という器用貧乏の素地を作ってくれたのは正にこのような業務でした。いや、本当に楽しかったし、感謝してるんですよ。



 画像で表しますと、こういうものを作ってました。企画から映像からシステムから造形から。画像直リンクになっちゃいましたが、このページからJSでポップアップされたので、そのままリンクになっちゃいましたごめんなさい。



 因みにこのもぐら博士も僕の思い出の一品です。宮崎県高鍋町にある博物館の展示物です。こちらもよくメンテナンスで伺いました。





 正直、どれも思い出深いです。個人的感傷になってしまいますが、ハイエースをかっ飛ばして展示ロボットのメンテに走りまくった若狭高浜や、熊本空港から3時間、行って帰るだけでも3日かかった天草島、ホテルに篭ってDOS-Vと格闘したLD3台の連携システム、映像と展示ロボットの同期に苦労した柏崎など、それぞれに自分の経験値を積み重ねさせてくれた恩義があるところばかりです。





 もうこの会社を辞めてから12年近く経つので、そろそろ展示物自体も撤収されているところも多いと思いますが。



 それこそなかなか経験できない仕事なだけに、様々なエピソードもあります。自分としての失敗談や笑い話など…「恐怖!地中から這い出るロボットの怪」や「ロボット博士が突然GetWild'89を歌いだした」「メンテ引き上げのため、リアルな人体ロボットを後部座席に乗せて都内を走っていると猛烈に警官に呼び止められた」などなど・・・もちろん営業中はどのロボット君もしっかり動いていましたよ。彼らの名誉のためにこの点しっかり伝えておきます。





 紹介だけで話が長くなってしまいましたが、発電所PR館関係の話に戻して。



 様々な映像コンテンツをつくるなかで、発電がどのような仕組みでできるのか、撮影したりCG作ったりしてきました。その中で感じた事。発電所は本当に、しっかりと作られています。安全には十分に気をつけて、想定できる災害は全て、人災の起きる可能性を極力減らして、ケアレスミスの無い仕組み、と言うものをしっかりつくっていました。原子力のみならず、火力も水力も。そしてそれを、子供にも解りやすい言葉で平易に伝えるためのコストもきちんとかけていました。PR館で流す映像ですから、もちろん安全をアピールするためのものではあるのですが、確かに安全と言えるだけの環境を整えていたと思います。



 それだからこそ、今回の事故について、僕は「なぜなんだろう・・・」と切なく眺めるのです。

 あれだけ、知を結集してくみ上げていた発電所、判断ミスやトラブルの起こしえない仕組み、それをもってしても、想定外だったのか、人災が起きる隙があったのか・・・。



 今、大変な事になっていますが、きちんと収束する日を待っています。

 あの時に映像で作ったことが正しければ、安全に収束する仕組みはまだまだ動いているはずです。それを信じたい。


この記事書いた人 x-10 : 2011年04月04日 03:56



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