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2012年01月13日
一日中、川を眺めていて気がついた5つのこと。
一日中、川を眺めていました。
なかなかこの年になって、自発的に「よし、今日は一日川辺でごろ寝しよう!」と時間を使うことはできませぬ。とはいえ、一日テレビ見てたり、一日ネットしてたりする事はできる訳だから、川を眺めることも出来ないわけじゃないんだけどね。
でも、電子機器からも完全に離れて、ぽえーと川を眺める一日を過ごすというのも、たまには悪くない。サイクリングして良い汗をかくわけでもなく、誰かを思って手紙を書くわけでもなく、機械をいじって何かを生み出すわけでもなく、パーティで楽しい時間を過ごすわけでもなく、ただ堤防でごろ寝する。ありがたくもこのような時間を用いて安らぐ事が使命の身、腰をすえて時間をもてあましてみようじゃないか。
PCも電話も何も無い状態で、川辺で過ごすという一日から、僕が気がついたこと5つ。
1・何も気がつかない。何も変わらない。
いきなり前提を覆しますが、5つどころか1つも気がつくことはありません。ただの川でした。
そうそう。たゆたう川を一日中眺めてたからといって、何か悟ったりするわけじゃないのですよ。
無駄なのです。無駄な一日なのです。なにも気づく訳がないのです。だって寝てるだけだもん。
何か悟ろうと思ってごろごろすること自体がさもしいのです。
でも、その無駄がとても有難い。そして大事だという事だけはなんとなく解るのです。
30年以上、乱暴に扱ってきた僕の身体は、こういう一日を重ねるたびに楽になっていくのです。
2・寒い・眠い・腹減った。
当たり前だが、川辺は寒い。そして一日中堤防に居たら、当然腹が減る。そして暇な時間は眠くなる。
こんな当たり前の事に気づくのも実際に体験してみたからこそ。うむ。
そして人間の身体の三大苦は飢餓と寒さと睡眠不足。という事をフィジカルに納得。
いや、この苦しみは例えば戦時中とか、そういう時に使うもので、本当の意味での苦しみは千分の一も経験してないですし、言うのもおこがましいレベルではありますが。
でも、結局、人間の「いやなもの」はそこに行き着くのだな。とも思いましたです。はい。
暇で眠くなるのはむしろ心地いいくらいなんですけどね。
3・人間誰もそんな変わらん。すごい人もえらい人も居らん。
僕が一日眺めてたのは旧・江戸川。大き過ぎず小さ過ぎずな、日本に良くある一級河川でした。
でも、当たり前だけど、飛び込んだら、うん、死ぬ。
そしてこのレベルの川は世界中に何千とある。
どこにでもあるレベルの、この川の流れを変えたり、止めたりする事すら、誰もできないのよね。
川に対して、人間の非力さよ。
何がTPPだ。何が大阪都だ。小さいことじゃないか。
そう思うと、ああ人間ちっぽけである。とまた悟った風な事を考えてしまうのでありました。大阪都が何なのかもわかってない癖に。
この、どこにでもある川を、ストップさせたり流れを変えたりすることの出来る人間なんて誰も居ない。その意味で、すごい人、えらい人、というのも、際限があるものなのだな。また、川の流れと関係なく、自分にとって尊敬したい人、は必ず居て、大事にしなきゃいけないのだな。そんなことを不遜にも考えてしまいました。
また、それでも時間をかけて知恵をかけたら運河を作っちゃったり出来るのも人間なのよね。
人間×時間×知恵。これは力があるものなのだな、とも思ってしまったり。
4・夜の川は怖い。
暗くなってからの水辺って、とっても怖いです。
そして急激に気温が下がります。なんだろう、この感覚。
川が流れてるときの音もなんとなく違うように聞こえてきます。
水辺は運気が悪いとか良いとか、オカルトチックな事も言われる事がありますが、ちょっとだけ信じたくなるような流れの変わり方を感じました。うん、水って人間の生き方を飲み込んでしまいそうなのね。
5・暇ってとても重要。
何もしない時間って、非常にクリエイティブです。
人生10のうち何もしない時間を5使って、残り5で何かをしたほうが、10を使って全力で事を成すよりも効率がよさそう、という事です。全身全霊政治生命と進退を賭けて次の総選挙に向けてこの偉業を成し遂げます!というより、半分ポケーとするから残りで面白い事するよー、の方が、結果としてアウトプットするものの量も質も良くなるものだとフィーリングしました。ええ、根拠ないですが。根拠っぽいものは川の流れが教えてくれたのです。
そんなこんなでジャパニーズサラリーマンらしからぬ一日。誰だ「あのおじちゃんどうして会社に行ってないのー」と幼女に指差されてる、公園でブランコ乗った中年のようだとか言ってる奴。
というか、今冷静に傍から見たらまるで変わらないな。そして本質的にも変わらないな。うむ。悟ってしまったぞ。
この記事書いた人 x-10 : 2012年01月13日 22:41
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